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●ジェラール・フィリップ――生々しさのない男の稀有な清涼感!

ジェラール・フィリップ短い生涯でありながら、ジャンルを違えても――「肉体の悪魔」('47)、「パルムの僧院」('47)「夜ごとの美女」('52)「花咲ける騎士道」('52)であれ、「狂熱の孤独」('53)であれ「赤と黒」('54)奥様ご用心」('57)であれ、多彩のように見えて、ジェラール・フィリップはいつもジェラール・フィリップというスタイルで、独特の個性を演じた。

それは今ではどこにも探しきれない、或る独特の透明感、独特の清潔感にも彩られ、いわば男のロマンティシズムとでも名づければようやく落ち着きを得る性質の典雅な趣を持ったスターであった。
ともかく、風のようであった。

だいたいが周囲に女の香りのする役柄が多く、ベッドシーンもあれこれ、男女の絡みも多く演じているのに、それが少しも生々しさのない、ことさら他のシーンと違和感のない、そのままの連続であった。

赤と黒風がそのまま愛情を巻き込んで吹き過ぎる、そんな印象であった。
活劇では激しいアクションもあるのに、そこに汗の臭いはなかった。そのときも一陣の風、疾風さえが爽やかな心地よさに彩られていた。
存在に重さがないのに、共演するすべての女優に喰われてしまうという、そんな柔弱とも違う、どこか飄々としながら確固とした自身の夢想は手放していない、不思議な風の精であった。

ミシュリーヌ・プレール、ジーナ・ロロブリジダ、ダニエル・ダリュー、マリア・カザレス、マルチーヌ・キャロル、ミシェル・モルガン、アントネラ・ルアルディ、アヌーク・エーメ、ジャンヌ・モローetc. 短い生涯とは思えぬ共演女優の多彩、固定したコンビ女優の不在も、男性スターとしては特異で異例なスターだった。


その女優たちと役柄において恋愛関係にありながら、いささかも懸想している演技の気配がなかったのも思えば稀有な出来事であった。

ジェラール・フィリップの周囲に巻き起こるのは女性たちの思慕の流れであった。
そこには意識された行動や、意図された行為はなかった。
その存在自体のフェロモンというべきか、ジェラール・フィリップの映画は共通する<風のロマンティシズム>に充たされていた。女たちを魅き寄せるフェロモンにも満たされていた。

モンパルナスの灯イヴ・アレグレ、クロード・オータン・ララ、ルネ・クレール、ルネ・クレマン、ジュリアン・デュヴィヴィエ、マックス・オフュルス、ジャック・ベッケル、ルイス・ブニュエル、ロジェ・ヴァディム、etc. 映画作家がこぞって彼を使いたがったように見えるのは、
その、<風のロマンティシズム>の、多くの男に共通する夢想の、稀有な存在を知覚したからではなかろうか。

もっともミス・キャストに見える「危険な関係」('59)の企画さえも自然にこなして逝ったことも奇跡に見えてしまう。しかもモジリアニを演じた「モンパルナスの灯」('58)は死の前年、生涯を予兆したとでもいうべき作品で、ひたひたと近づいてくる死がその生涯を巻き込んでいくその姿がまさに重ね合わせて見られるほどヴィヴィッドな感覚の作品であった。


まさしく連れ去られるように<風のロマンティシズム>は、逝ったのである。

◎ジェラール・フィリップ補記――非現実の存在感から非現実の彼方へ!
<ジェラール・フィリップ>Gerard Philipe(1922.12.4〜1959.11.25)フィルモグラフィ
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◆ジェラール・フィリップの本◆
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