スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
<< ◎ジェラール・フィリップ補記――非現実の存在感から非現実の彼方へ! | main | ◎映画だけが「古き良き時代」の存在を指し示す! >>

◆グレタ・ガルボ――硬質の美に彩られた截然たる<意志>

グレタ・ガルボディートリッヒと並び称される、しかしこちらは36歳で引退! 以後完黙の、いささかも浮つかないその硬質の美は、意外に静かな意志性に支えられていて、単なるアイドル・スターではない骨っぽさも見せるのはやはり歴史を超えた魅力の芯にそれが在るからだろう。

この意志性は、ディートリッヒとも共通する、人としての誇りにも満ちて、おそらく時代の苦難にも裏打ちされたメルクマールと言っても良いものだろうか。
とにかく美しさに凛としたものが寄り添う。生涯独身にして孤高を守り、ガルボという名は、チャップリンが命名したものと言う。

いまそんなに多くの作品を観ることができないのが残念だが、いまのところ「グランドホテル」('32)「クリスチナ女王」('33)「椿姫」('37)「ニノチカ」('39)の4作品と遭遇。それでもその存在の明確さはこのわずか4作品にも明らかに投影されていて、ことに「クリスチナ女王」と「ニノチカ」にはこの女優の真価がまぎれもなく輝いている。

グレタ・ガルボ「クリスチナ女王」クリスチナ女王」は、故国スウェーデンの17世紀に実在の女王に扮し、政治の世界よりも文化的なものにより知悉し、自ら退位してローマに過ごしたという女王だから、いかにもガルボに相応しく、そのガルボの輝きのためにこそある映画で、ガルボを知るためには見落とせない作品であることには、誰も異論がないだろう。

ニノチカ」は、ガルボが初めて笑うようなことで喧伝されたが、実際は「クリスチナ女王」で呵々大笑するシーンがあり、決して一度だけの笑いではないけれども、それほど、硬質な魅惑であったということのそれが証明でもあるだろうか。ロシアからパリに派遣される硬骨の共産主義者という役柄もそのガルボのキャラクターに即したものだったのだろう。

グレタ・ガルボ3フィルモグラフィを見ると、クラレンス・ブラウンの演出であることがもっとも多く、その意味でもこの2作、ルーベン・マムリアンとエルンスト・ルビッチが携わって、その魅力を集約、完成させていったようにも見えるのは、女優としての晩年の作品であることを既に知るからである。

左のイラストは「スタア」誌・昭和10年11月の表紙のグレタ・ガルボ。特徴をとらえた優れものと抜粋。右から左に流れる文字も時代色だが、絵もガルボも少しも古びないどころか、いまでも最先端の感じがするのは、やはり毅然たる背筋の通った意志性のせいかもしれない。
もう少し見ることのできる作品もありそうで、その意志性は、さらに神秘の彼方にさまよってはいるようだ。

堀口大學は、その意志性の神秘をこんな風に書いている。
――グレタ・ガルボの美しさは、不思議な美である。彼女は閉ざされた本の感じがする。その花芯を現はそうとしない、妖美な花である。彼女の考えていること、彼女の望んでいることが解らないように、人に眺められるのが新しい魅力をつくっている。彼女の眼は大洋の波を眺めている眼であり、果てしのないものの前に夢見ている眼である。


グレタ・ガルボ2北欧の神秘を仕立て上げられたかもしれないが、もはやその神秘は自立していき、それはモーリッツ・スティルレル監督がハリウッドに紹介したグレタ・ロヴィッチ・グスタフソンでは無くなっていったのである。

無声映画のスターがトーキーになる時、懸念されるのが声質であるが、そのハスキー・ボイスさえ「アンナ・クリスティ」('30)ではそのなまりのある強く低い声が、適役となったというから、やはりすべて造化の妙、奇跡の伝説が重なる女優なのである。

映画の創成期の巧みは、マレーネ・ディートリッヒと、グレタ・ガルボという、ふたりの圧倒的な<自立>の感性を持ったのである。
まさしく時代を駆け抜け、飛び抜けてしまうような、美しき洗練と、硬質の意志性とで、それは今もなおその名とともに在る!


<グレタ・ガルボ>Greta Garbo(1905.9.18〜1990.4.15)フィルモグラフィ
◆グレタ・ガルボのDVD作品一覧を観て見る!◆
●グレタ・ガルボの本●
Copyright (C) 2007 Ryo Izaki,All rights reserved.
| 映画女優 | 15:27 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

スポンサーサイト

| - | 15:27 | - | - | pookmark |
Comment









Trackback
url: http://actor-actress.jugem.jp/trackback/31

04
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--
Profile
Sponsored links
メルマガ登録・解除
デジタル・シネマ・ダイアリー
   
バックナンバー
powered by まぐまぐトップページへ
New entries
Archives
Categories
Recent comment
  • ◆マリリン・モンロー――性の頂点まで昇りつめた<童女>
    外 (01/05)
  • ◆デボラ・カー――翳にさえロマンスの香気溢れる典雅な<気品>
    ちいず (09/06)
Recent trackback
CONTENT
人気ホームページランキングへ
メルマガ登録・解除
デジタル・シネマ・ダイアリー
   
バックナンバー
powered by まぐまぐトップページへ




CONTENT
人気ホームページランキングへ
STAR INDEX(アイウエオ順)●
◆アンジェリーナ・ジョリー
◆ヴィヴィアン・リー
◆エルケ・ソマー
◆エルケ・ソマー2
◆オードリー・へプバーン
◆オルネラ・ムーティ
◆オルネラ・ムーティ2
◆キム・ノヴァク
◆キャシー・ダウンズ
●クラーク・ゲーブル
◆グレイス・ケリー
◆グレタ・ガルボ
◆ジーン・セバーグ
◆ジーナ・ロロブリジダ
◆ジーナ・ロロブリジダ2
◆ジェーン・グリア
◆ジェーン・シーモア
●ジェームズ・キャグニー
◆ジェニファー・ジェイソン・リー
●ジェラール・フィリップ
●ジェラール・フィリップ2
◆シャーリーズ・セロン
◆ジャクリーン・スミス
●ジャック・ニコルソン
◆ジョディ・フォスター
◆スザンヌ・プレシェット
◆ステファニー・パワーズ
◆ダイアン・レイン
◆ティナ・ルイーズ
◆デボラ・カー
◆ナタリー・ポートマン
◆バーバラ・パーキンス
●バート・ランカスター
◆フェイ・ダナウェイ
◆ファラ・フォーセット
●ヘンリー・フォンダ
●ポール・ニューマン
◆マリリン・モンロー
●マルクス・ブラザーズ
◆マレーネ・ディートリッヒ
◆吉永小百合
◆リュドミラ・サベリーエワ
◆リンゼイ・ワグナー
◆レスリー・アン・ダウン
◆ロザンナ・スキャフィーノ
◆ロミー・シュナイダー


名画は新旧問わずクラシック!
Mobile
qrcode
Links
Others
無料ブログ作成サービス JUGEM